Attention Please !!

この小説は、いわゆる黒ガイがメインです。
多少残虐表現がありますので、苦手な方はご注意ください。
それでも良い、むしろバッチ来い!な方のみ、この先へお進みください。


















「ルーク様、今日は何の遊びになさいますか?」
「必要ない。……使用人は使用人らしく、周りの世話だけしていろ」

赤い子供は今日も自分を律して生きていた。
国のために民のためにと、その心は高らかに理想を謳い上げる。

……くだらない。何もかもがくだらない。

”国のために” 働いた結果が、あのホドの悲劇だということが解らないのか?
所詮口では国のためとか何だと言っていても、結局お前らの親は人殺しでしかないんだよ。
いくら王族や爵位という身分でそれを隠そうと、決してそれ以上にもそれ以下にもなれない。

「……かしこまりました」

身分違いと自分を遠ざける割に、その背中はどこか構って欲しそうにしていたが、
だからといってわざわざ構ってやるほど俺はお人好しじゃない。
せいぜいご命令の上っ面だけを聞いて気付かないふりをしていればいいのだ。
そう、 ”使用人は使用人らしく” 。

公爵子息に恭しく一礼をして、足は迷いなく玄関ロビーへと向かう。
見上げるは蒼く輝く宝刀。
父上の御首を共にこの屋敷にやってきた、一族の形見。
復讐の象徴であり生きていくための心の支え。

────いつか、これを振るう時が来る。

宝刀に映るは一面の赤。
血の海に浮かぶ、鮮やかな焔。

事切れた顔は一体どんな表情に染まっているだろうか。
裏切りに対する怒り? 悲しみ? 憎しみ? それとも空虚?

さて、それは実行した時のお楽しみ。

今はまだ殺さない。
もっと信頼を植えつけて、親愛を振りまいて、深層まで信用させてからだ。
でないと、壊す意味が無いだろう?

そして大事な大事な息子の亡骸を腕に抱いたその時────俺の大事なものを踏みにじった罪を思い知れ!




紙一重の、赤






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